たぬきのためふんば

ここにはめたたぬきが糞をしにきます。

2022-01-01から1年間の記事一覧

『チ。―地球の運動について―』の名言について

どうも私は革命の物語が好きらしい。反体制と言ってもいい。強き者に抗う生き方が好きなのだ。 好きなアニメは『少女革命ウテナ』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』。映画だと『ラ・ラ・ランド』や『セッション』が好き。別に強い奴らをギャフンと言わせ…

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』 富・名声・力より大事なものがここにある

映画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』を見た。 タイトルどおり、シェフが屋台を始めましたという話である。そう聞くと「屋台を始めてどうなるんだろう?」「どんな屋台なんだろう?」ということを考えてしまうと思うが、極論を言うと、そんなこと…

2022年上半期に読んだ本

一年も半分過ぎたので、備忘録としてこの半年の間に読んだ本を紹介したい。 記号の意味は下のとおり。 △:読まない方がよかった ◯:読んでもよかったけど読まなくてもよかった ◎:読む価値があった ☆:心が震えた ホモ・デウス ◎ 沈黙のWebライティング ○ 失…

いかにマイベストを決めるかについて

今週のお題「マイベスト家電」 今週のお題は非常に難題である。何をもってマイベストとするのかが微妙だからだ。 家電とは まずは家電とは何かを考えなければならない。一般的なイメージとしては冷蔵庫や電子レンジやエアコンが家電の代表格だが、そこにPCや…

給食はすごい

好きだった給食メニュー……昔のことすぎてあまり思い出せない。 自分ならではの面白い回答をしたいところだが、カレーしか思い浮かばない。カレーは安定して美味しい。課外活動でもなんでも、カレーがまずかったことがない。やはりカレーは偉大だ。インドは偉…

パスワードの桁数を公開することにはどの程度の影響があるのか

2022年6月23日、尼崎市が個人情報の含まれているUSBメモリーを紛失したと報道発表した。 業務を委託していた会社の従業員がUSBを持ち帰り、飲み食いしてるうちにどっかに行ってしまったというよくある事案である。 ここまでならよくある大問題である。この件…

プラトンの『国家』がこんなにエモいわけがない

プラトンの『国家』を読んだ。 学生時代、プラトンの著作をいくつか読んだ私は、ついにこの大作に挑んだ。プラトンといえば『国家』である。日本の高校生を経験した人であれば、倫理の授業でそう習ったはずだ。 この本、とにかく分厚い。岩波文庫で合計1000P…

オススメのタブレット1選

大学生の頃、イタリア旅行をした。初めての海外旅行だった。 それまで、イタリアという国に対して好意を抱いたことはなかった。 なんせ国名がださい。「リア」は良いとして、「イタ」がださい。板っぽい。イタリア料理と言えばスパゲッティなもんだから、な…

本棚を眺めることは過去を眺めることだ

今週のお題「本棚の中身」 私は本棚を2つ持っている。 一つは、家に置いてある本棚である。これの中身は大学時代の教科書と漫画とその他諸々で構成されている。蔵書を増やしていくつもりはない。メルカリで処分して、どんどん軽くしていきたいと考えている(…

星と蟲と私

今週のお題「夏物出し」 季節は巡る。ローマ帝国が滅びても、キリスト教が衰退しても、変わらず季節は繰り返す。人間にとっては永遠とも思える間、地球は太陽の周りを回り続ける。 春は短い。秋はもっと短い。冬は5ヶ月、春は2ヶ月、夏は4ヶ月、秋は1ヶ…

人生の三大出費は住居・教育・老後ですか?

今週のお題「人生で一番高い買い物」 「人生 三大 買い物」で検索すると、トップ20のサイトに軒並み出てくるのが 住居費 教育費 老後費 の三つである。どうやら人生三大出費といえばこれ!というくらいの定番らしい。たぶん何かの教科書にこれが書いてあるの…

幼き頃からごっこ遊びにハマり続けている

今週のお題「何して遊んだ?」 幼き頃はとにかく「ごっこ遊び」をすることが多かった。 幼稚園では『ドラゴンボール』のキャラになりきって戦いごっこをしていた。ないはずのかめはめ波がまるで本当に存在するかのように幼児たちは吹き飛ばされていった。家…

2013年に読みたかった『2016年の週刊文春』

2016年の週刊文春 作者:柳澤 健 光文社 Amazon 前回、『フェルマーの最終定理』や『暗号解読』のサイモン・シンがなぜ面白い本を書けるのかについて考えた。その秘訣は三つだった。 歴史を描いている 人を描いている 難題を描いている これが奥義であるとい…

わたしの戦闘力は400,000,000,000,000,000,000,000,000です

「面白くなさそうだ」と感じたら、それはチャンスだ。 あなたの知らない世界が待っているから。 英雄はこの世界に存在する。 あなたの知らないところで戦い続けている。 殊に暗号を巡る物語は舞台裏で起こっているから。 暗号解読(上下)合本版(新潮文庫)…

『イミテーション・ゲーム』という冗字に満ちた暗号

サイモン・シンの『暗号解読』を読んだので『イミテーション・ゲーム』を見直してみました。 『イミテーション・ゲーム』はアラン・チューリングの人生を描いた映画です。 第二次世界大戦中、ドイツは通信文をエニグマという強力な暗号機で暗号化していまし…

会社に囚われた日本人なら共感できる! 『月に囚われた男』

映画『月に囚われた男』を見ました。 監督はデヴィッド・ボウイの息子であるダンカン・ジョーンズ。彼の長編デビュー作で、2009年の映画です。 以下、ネタバレあり。 www.youtube.com 人類のエネルギー問題が月によって解決された時代の話。核融合発電の燃料…

1%が勝敗を分ける

今、サイモン・シンの『暗号解読』を読んでいます。どちゃくそおもしれえんだこれが。 暗号解読(上)(新潮文庫) 作者:サイモン・シン 新潮社 Amazon この本の中で、数学者が大活躍しています。 私は影響を受けやすいたちなので、数学を勉強したくなってき…

街の中に芸術品を置くのではない、街自体が芸術品なのだ

今週のお題「好きな街」 私の好きな街はローマです。 ローマには良いところがたくさんあります。食べ物(ピッツァ、パスタ、ジェラート……)は美味しいし、(私が行った当時は)簡単な日本語を使える人が店先にたくさんいたし、ローマ帝国時代の遺跡がたくさ…

クイズここはどこでしょう

今週のお題「好きな公園」 私の好きな公園はこちらです。 くまあああああああああ。 三匹もくまがいる! まるで『ゴールデンカムイ』の世界です。今ならヤングジャンプのサイトで全話無料で読めるよ。ってことは北海道? さあ、ここがどこか分かりますか? …

なぜか聴かずにはいられないビジネスウォーズ

以前、歩いている時間を無の時間にするためにAudibleを解約すると書いたのですが、あの直後にゆる言語学ラジオというコンテンツを発見してしまいました。 あなたは「た」の用法を6個言えますか? www.youtube.com このゆる言語学ラジオ、YouTubeでの配信が…

FXはじめました

本当は「今やるならFXしかない」だの「今FXをやらないでいつやる」みたいなタイトルを付けたい気分なのですが、初心者に毛が生えたレベル(ですらないかもしれない)なので控えめにいきます。 FXとはなにか? 下のサイトから引用します。 FXとは FX基礎知識 …

『田舎教師』感想 これはあなたの墓標である

田山花袋の田舎教師を読みました。私は自分の墓標を見ていました。 田舎教師 (新潮文庫) 作者:花袋, 田山 新潮社 Amazon 主人公の名は林清三。中学校(今で言う高校に近いものだと思います)を卒業したての彼が教師になるところから物語は始まります。 清三…

『さよなら絵梨』感想 こないだ中学生になった優太が12さいの誕生日を祝われてるの謎すぎる

今週月曜日に藤本タツキ先生の『さよなら絵梨』が公開されました。 読んでない人は早く読んだらええやんええやん。以下は読んでいる前提で書きます。 デッドエクスプロージョンマザー さよなら絵梨 伏線 どんでん返し 響くセリフ デッドエクスプロージョンエ…

ベイブレードは回るよいつまでも

「めたたぬきさん、私、四月からうどん県の方に派遣されることになりまして」 もうすぐ四月になろうかというのに、真冬のような冷たい風が吹く日のことだった。 同期入社の女子が珍しく話しかけてきた。 「どうやら百年くらいあっちに行ったままみたいなんで…

YOASOBI『優しい彗星』と川端康成『雪国』の類似性について

YOASOBIの「優しい彗星」の中に『雪国』を感じたのでそれについて書く。 www.youtube.com 今、静かな夜の中で無計画に車を走らせた 実に印象的な冒頭だ。この短い文の中に物語がある。 車を運転する時、普通は目的地がある。 しかし、今回は「無計画に」走ら…

週刊少年ジャンプに学ぶ成功法則

あなたは日本で一番売れている漫画雑誌をご存知でしょうか。 そう、週刊少年ジャンプです。 では、それが具体的にどのくらいの売上かはご存知でしょうか? こちらのサイトにランキングが載っています。 コミック2020年度年間掲載誌ランキング – 書籍ランキン…

『江戸川乱歩傑作選』

『江戸川乱歩傑作選』を読みました。 江戸川乱歩傑作選(新潮文庫) 作者:江戸川乱歩 新潮社 Amazon 江戸川乱歩は面白い なぜ人は江戸川乱歩を読まないのか 新しさと面白さは比例しない ペンネームから溢れ出るセンス 江戸川乱歩は色褪せない 江戸川乱歩の特…

『和解』日記はエンターテイメントになる

『和解』を読みました。 和解 (新潮文庫) 作者:直哉, 志賀 新潮社 Amazon 小説の神様・志賀直哉の作品です。表紙のおじいさんも志賀直哉です。 この小説は1917年に発表された作品です。第一次世界大戦の頃ですから、かなり古い作品です。ですが、『雪国』と…

『雪国』は織姫と偽彦星の物語?

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。 日本で一番有名な小説は、おそらく『吾輩は猫である』だと思います。 タイトルと同じ一文から始まる冒頭がかなり有名で、キャッチーさもある。しかも、作者があの元千円札のおじさん、夏目…

『もののけ姫』をグラフで表現する試み

『ホモ・デウス』という本を読みました。『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏が書いた本です。 ホモ・デウス 上下合本版 テクノロジーとサピエンスの未来 作者:ユヴァル・ノア・ハラリ 河出書房新社 Amazon その中で、 人間は神が意味の源泉だった…