以前、こんな記事を書きました。
weatheredwithyou.hatenablog.com
Audibleの長所短所両方書きつつも全体としてはAudibleを勧めている記事。
こんなもんを書いといてあれなのですが、本日、私はAudibleを退会しました。
理由としては、以下の二つが挙げられます。
- 本選びが難しい。
- 一日の中に空白の時間を作りたい。
「本選びが難しい」についてですが、私にとってショックだった出来事がありました。
カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』が全然楽しめなかったのです。なぜか全然頭に入ってこないし、全然面白いと思えなかったのです。頭に入らないから面白くないのか、面白くないから頭に入らないのか、どちらなのかは分かりません。ナレーターは悪くなかったと思います。いやむしろ良かったと思います。単純に私と『わたしを離さないで』の相性が悪かっただけなのでしょうか? いずれにせよ、同じ作者の『日の名残り』が非常に印象的だったので期待していただけに失望は深かった。
で、その次に聞いたのが月次ボーナスの『ソロモンの偽証』です。これが非常に暗い話なうえに長くて、しかも途中までだし、仕事が忙しい時期にそんなもんを聞いているのが苦痛でたまらなかった。(面白い作品だとは思いました。)
それ以上に、前々から自分の生活について気になっていたことがありました。
一日の中に空白の時間帯がないんです。
朝起きたら、顔洗って弁当作って朝食食べつつ着替えて家を出る。その間、YouTubeかNetflixをiPadで流しています。
通勤中は、歩いている間はAudible、静止している間はKindleを楽しむ。職場についたらスマホでニュースやツイッターをチェックし、仕事中は当然仕事をしています。昼休みは弁当食いながらツイッターやNewsPicksや株価をチェックし、一周したら昼寝。
家に帰ってからは夕飯食べて風呂入って歯を磨いて寝る。この間はYouTubeかNetflixをiPadかiPhoneで流したり本を読んだりしています。
という風にルーティンが決まっているのですが、スマホやタブレットが起動していない自分だけの時間、考えごとをする時間が一切ないんですねー。
以前まではそれで特に問題がありませんでした。別に空白の時間なんてあろうが、考えるべきこともありませんし。いやむしろ余計なことは考えないほうがいいし。
しかし、今はブログをやっていますので、「週末にどんなことを書こうか」とか「このブログは今のままでよいのだろうか」とか、色々と考えるべきことがあります。にもかかわらず、一日の中に空白の時間帯を設けていないから、日々何も考えず生きているんですね、私は。これじゃあいかんと思うわけです。
では、一日の中で考え事に最も適しているのは、どの時間か。それは風呂に入っている時か、歩いている時です。スティーブ・ジョブズも散歩しながらのミーティングをよくしていたようです。
歩いている間、私が行っているのはAudibleを聞くことですが、Audibleを十分に楽しむことに私は苦労しています。しかも、それにかかるコストは月1500円です。言うまでもありませんが、朗読を楽しみながら考え事をするのは困難です。
(月1500円というと小さい金額に思えますが、FIRE的に考えると、これがあるかないかで目標額が1500×12×25=450,000円分変わります。月1500円分を投資に回せることを考えると、この節約にはさらに大きな効果があります。)
もうこれは一択です。私が取るべき選択は一つしかありません。
というわけで、Audibleを退会しました。ケチ&優柔不断な性分なので一旦休会したかったのですが、あるべきはずのところに休会ボタンが現れないので休会は諦めました。
(余談)
退会を心に決めてから買った『硝子の塔の殺人』はかなり面白かったです。ミステリー小説とはなんぞやを総括しながら、それを飛び越えてくるようなそんな小説。繰り返されるちゃぶ台返しと伏線が次々に回収されていく快感がえげつねえでごわす。私はミステリー小説そんなに読まない系芸人ですが、「ミステリー小説って本当にいいものですね」と思わされました。
アマゾンのレビューの上位になぜか批判的な感想が連なっていますが、参考にしなくていいです。(とか言って「おう、読んだけどおもろくないやんけワレ」と怒られても困りますが。)
『わたしを離さないで』は大事にしたくて1倍速で聞きましたが、『硝子の塔の殺人』はやけになって2倍速で聞きました。その結果がこれです。実はスピードを速くしたほうが楽しめるのかなあ?
退会はしましたが、まだ未読の本があるのでもう少しAudibleのある生活は続きます。