Audible(オーディブル)をご存知でしょうか?
Audibleとは、あのAmazonが運営している「聴く読書」のサービスです。
「聴く読書」とかオシャレに言っちゃってますが、要するに朗読を聴けるサービスのことです。
解説します。
サービスの概要
まず気になるのは、課金システムだと思いますが、これが
月額1,500円!
「「高っ!」」と思われたかもしれませんが、ちょっと待ってください!
これはお得でおなじみAmazonのサービスです。そんな高いだけのサービスなわけがありません。
これには、以下の特典が付いてきます。
- 好きな本を無料で購入できるコイン
- 月替りでAmazonが選定する本(一冊)を無料で購入できる権利
要するに、月額1500円で本2冊を読めます。
ということは、一冊あたり750円。
そう考えると、まあ妥当な価格設定ではないでしょうか?
月に2冊以上読む人は、追加で本を購入する必要があります。
(本を返品するとコインが返ってくるそうですが、私は返品したことがないのでそれについては沈黙します。)
ちなみに、コインじゃなく本を買おうとするとけっこう高いです(たぶん3000円くらいが相場)。会員なら30%引きで買えるのですが、それでも高い。
ただ、長い本だと一冊あたり10時間以上はざらですので、そういうのを選んでいけば追加購入は不要なんじゃないかな~というのが私の感覚です。夏目漱石全集を買えば130時間! 一日10時間聴いても(絶対にそんなに聴かない)13日かかりますね!
それに、もし次のコインをゲットする前に本を読み終えちゃったよとなったら、無料で聴けるAmazonオリジナルのポッドキャストを聴くという手もあります。『アレク氏2120』面白いですよ。
Audibleのメリット3選
普通の読書とは違う、Audibleならではのメリットとはなんでしょうか?
1.目と手が自由な状態で本を読める!
まあ、やはりなんといってもこれでしょう。
会社からの帰り道、「あ~本読みてぇ~」と思っても、道を歩きながら本を読むのは危険です。
でも、Audibleなら?
目が塞がらないから、車に気をつけながら読書したい欲も満たすことができる!
二宮金次郎もおったまげです!
なんなら、上空に広がる美しい星空を眺めながら読書をすることもできる!
坂本九もおったまげです!
運動をしながら、目を休めながら、読書ができる。それが、Audible。
そういうことなんです。
2.一定のペースで本を読める!
よく読書の長所は自分のペースで読めること!とか言う人がいますが、それは欠点でもあります。
「本を読んでもなぜか全く読み進められない!」という悩みを持つ人は多いのではないでしょうか?
そんなあなたにオススメなのがAudible!
Audibleなら朗読者がペースメーカーとなってくれるから、強制的に読み進めてくれます。
もちろん読書スピードは変えられます。
標準のスピードが遅いな~と感じたら2倍まで0.1倍ごとスピードを上げることができます(遅くすることもできます)。
なので、「本を○冊読むのを目標にするぞ~!」と思ったら、Audibleに登録すれば年間24冊は確実に読めます。すごい。
3.朗読だから自分で読むより没入感あるかも?
朗読者はナレーションや演技のプロの方々です。
たとえば、『モモ』の朗読は名探偵コナンでおなじみ高山みなみさんが担当しているなど!
ということは、セリフに魂がこもります。
もしかしたら自分で読むよりも物語に入り込めるかもしれません。
Audibleのデメリット3選
そんな素晴らしいサービスAudible。欠点はあるのでしょうか?
1.読み返しづらい(検索性が低い)
Audibleだと本を読み返しづらいです。
本を読み終えたあと、「あそこもう一度読みたいな~」と思うことありますよね。
でも、Audibleは音楽トラックと同じなので、パラパラ~とめくって探すことができません。シークバー動かしていちいち「あーここかーてことはここらへんかな?」みたいに探すのはクソめんどくさいので、はっきり言って読み返しは実質的に不可能と考えておいていいと思います。
なので、個人的には、実用書的なものをガチめに読むのには向いていないと思います。(とりあえずどんな本か知るのには役に立つと思います。)
2.騒音があるところだと音を大きめにしないと聞き取りづらい
私はAirPodsProを使っているのですが、私の使い方が悪いからなのか、そばを通る車の音や電車の音はノイズキャンセリングを簡単に貫通してきます。
音楽なら多少聞こえなくても支障はありませんが、朗読ではそうはいきません。
なので、ちゃんと聞こうと思ったら、音を大きめに設定しないといけません。
まあ、音を大きくしたところで、音楽よりは耳に悪くないと思いますが……。
それから、朗読なので当たり前ですが、朗読の質は朗読者次第で決まります。
たまにすごく聞き取りづらい系(=抑揚つけすぎ系)の朗読者に出会うとめちゃくちゃイライラします。
そういう事情で、私は電車内ではAudibleを聴きませんし、通勤経路は車の少ない静かな道を選んでいます。
3.基本的に文字情報なし
AmazonMusicで歌詞が表示されるように、朗読の内容が表示されるとかそういうことはありません。
なので、『三体Ⅱ上』を聴いていた時は、「ルオジー」ってどんな字?みたいなことが気になっちゃって仕方なかったです。それに、『三体』はSFなので、難しい言葉もちょくちょくあり、耳からだとあんまり頭に入ってこなかったかも。
(結局、『三体Ⅱ上』以外は普通の本で買いました。)
ただし、図みたいなものは画像ファイルが付属していて、見られるようになっていますので、そこはご安心を。
(今見返したら『三体Ⅱ上』にも登場人物一覧が付属していたようです……。でも『三体』はめちゃくちゃ面白いので、Audibleじゃなくても読まずにはいられないと思います……という言い訳。)
私の利用スタイル
以上の事情から、私のAudible利用スタイルは今のところ以下のような感じになっています。
- 外を歩いている時に聴く(電車等では聴かない)
- 購入する本はフィクション(特に、面白そうだけど、読むのを後回しにしちゃいがち系の本←ここ重要!)
これはあくまで私の生活スタイルに適した利用法です。
たとえば、私が電車内で聴かないのは、私は満員電車に乗る生活をしていないので車内で普通に本を読めるという背景事情があります。もし満員電車ユーザーだったら私も電車内でAudibleを聴くと思います。
フィクションを聴くのも、普通の本だとあまりフィクションを読まないので、そこを強化したいと思っていたという裏があります。
とにもかくにも、Audibleの長所は気が進まない本でも読み切れる確率が高いというところです。
オススメの本
最後に、私がAudibleで聴いて、良かったと思った本をご紹介します。
日の名残り
ノーベル賞受賞作家カズオ・イシグロさんの代表作の一つ、『日の名残り』です。
朗読は田辺誠一さん。謹厳実直な執事スティーブンスを見事に演じられています。しかも聞きやすい。
とにかくものすごく良い小説です。Amazon創業者のジェフ・ベゾスがお気に入りの本に挙げるほどの一冊(ジェフ・ベゾスは「最も多くのことを学べるのは小説だ」と考えているそうです)。時価総額世界第4位の企業を一世代で築き、宇宙旅行まで自力で達成したそのパワーの源の一端がここにあるかも!?
正直、私はAudibleで聴き終わって、「これは紙の本で買っとけばよかったー!」と思ったくらいです。でも、Audibleじゃなかったら、たぶん読むことはなかったか、相当先のことになっていたでしょう。これがAudibleの力だ!
下町ロケットシリーズ
私はAudibleで聴くのに最も適しているジャンルは日本のエンタメ小説なのではないかと思っています。
その筆頭たるが、やはり池井戸潤作品。
『下町ロケット』シリーズは文句なく面白いです。ナレーションもとても良い。
とりあえずこれを選んでおけば外れのない作品だと思います。
ただ、池井戸潤作品にはものすっっっっごく嫌なヤツが登場するので、「これを聴いていたら心が荒んでしまう!」と思ってしまって、3巻以降を買えていない自分がいることは告白しておきます。
マル暴総監
やはり日本のエンタメ小説です。
これはこのあいだ無料で購入できた作品なのですが面白かったですね。初めて読みましたが、今野敏さんの本も面白いかもしれません。
マル暴というと「オラァ!」「なんやオラァ!」「ドツキマワシたるぞコラァ!」みたいなイメージですが、全くそういう小説ではありません。警察と暴力団ってこういう関係なんだあ……と興味深かったですね。
ちなみに、これ、マル暴シリーズの一つで、主人公は甘糟刑事のようなので、マル暴総監はほとんど(というか全く?)活躍しません。普通に購入するなら『マル暴甘糟』から読んだ方が良いでしょう(私は未読ですが)。
まとめ
Audibleはとりあえず試してみて損はないです。
よく考えてみてください。
読書家ってなんかかっこいいじゃないですか。
年間24冊読んでたら、たぶん世間的には読書家な方です。
Audibleに加入すれば、年間24冊達成することは容易です。
「読書家ってカッコいい~」って書くとクソみたいな理由に思えますが、今までより年間24冊多く本を読めば、たぶん人生が変わってくるはずです。
人生を変える第一歩にAudible。あると思います。
以上、某人気ブロガーさんのブログを真似してみようという試みでした。
追記:退会しました(2021/12/11)
思うところがあり、退会しました。詳細は↓。