たぬきのためふんば

ここにはめたたぬきが糞をしにきます。

YOASOBIの原作者になる方法を考える

 紅白の出場者と日本レコード大賞の受賞者が発表されました。

 Official髭男dismの『Cry Baby』が大好きな私としては、どちらもあまりのつまらなさに目が潤むような結果でした。藤井風がいないことにも「何なん?」とぼやかずにはいられませんが、去年も似たようなことを思ったので、もうええわって感じでもあります。優里の『ドライフラワー』もありません。「もし後日出場を発表したら今日のことを笑ってくれるかな?」ということなのでしょうか? 私は絶対に笑いません。Adoちゃんもいないしぃぃ! 最新の流行は当然の把握が社会人じゃ当然のルールなんじゃないんですか!? はああぁぁ?

 以上が感想です。要するに自分の好きな贔屓が揃っていないから喚き散らしているだけなんですが。

 

 そんな中、順当に選ばれたのがYOASOBIです。


www.youtube.com

 紅白はトリから二番目というなんか良さげなポジションを与えているものの、日本レコード大賞はかろうじて特別賞を与えたのみのようです。

 このYOASOBI、今さら説明するまでもありませんが、「小説を音楽にする」をコンセプトにした音楽ユニットです。

 なんでこんなコンセプトなのかというと、ソニー・ミュージックエンタテインメント「monogatary.comのアクセス数増やしてえなあ!」と思い立って結成させたのがYOASOBIだからです。monogatary.comはソニー・ミュージックエンタテインメントが運営する小説投稿サイトです。サイトのアクセスを増やすために音楽ユニットを作るなんて、さすが世界のソニー。やることが違います。

 ソニーがさらに凄いのはこのちょっとした企画に、天才ボカロP*1Ayaseを起用&ぷらそにかで密かに育てていた秘蔵っ子ikura(幾田りら)をあてがったことです。*2

 二人の才能はまたたく間に脚光を浴びます。デビュー曲『夜に駆ける』は2021/11/20現在、YouTubeで2.4億回再生される大ヒット曲となり、その後もヒット曲を連発しています。今や日本の音楽シーンを牽引しているのはYOASOBIと言っても過言ではありません! 英語版も続々発表していますし、早く世界を舞台に輝いてほしいものです。

 

 肝心なのが、YOASOBIはmonogatary.comという小説投稿サイトの作品を音楽にするためのユニットであるということです。

 つまり!

 あなたも私もYOASOBIの原作者になれちゃうかもYO!ってことです。

 「俺もikuraちゃんと夜遊びできるのか!?」と思ったそこのあなた!

 ……ワンチャンあります!

 可能性は0じゃない。

 そのうえYOASOBIの原作ともなると注目度がダンチです。

 『たぶん』は映画化されています。

 ソニー・ミュージックエンタテインメントがサポートしてくれる重みです。

 印税がどのくらいか気になりますね!

 しかし、もしikuraちゃんと夜遊びできなかったとしても、印税ウハウハ生活ができなかったとしても、Ayase氏に曲を作ってもらいikuraちゃんに歌ってもらえること以上の喜びがあろうか。いや、ない。

 というわけで、今日はYOASOBIの原作者になる方法について考えてみます。

傾向と対策

 まずは過去問から傾向と対策を考えます。

楽曲と原作

 英語版を除くディスコグラフィーと原作は以下のようになっているようです*3

  1. 夜に駆ける → タナトスの誘惑
  2. あの夢をなぞって → 夢の雫と星の花
  3. ハルジオン → それでも、ハッピーエンド
  4. たぶん → たぶん
  5. 群青 → 青を味方に。
  6. ハルカ → 月王子
  7. 怪物 → 自分の胸に自分の耳を押し当てて
  8. 優しい彗星 → 獅子座流星群のままに
  9. もう少しだけ → めぐる。
  10. 三原色 → RGB
  11. アンコール → 世界の終わりと、さよならのうた
  12. ラブレター → 音楽さんへ
  13. 大正浪漫 → 大正ロマンス
  14. ツバメ → 小さなツバメの大きな夢

原作者サイドの分類

 上記の原作を出どころ別に分類してみます。

  • monogatary.com→夜に駆ける、あの夢をなぞって、たぶん、もう少しだけ、アンコール、大正浪漫
  • ラジオ企画→ラブレター
  • テレビ企画→ツバメ
  • タイアップ→ハルジオン、群青、ハルカ、怪物、優しい彗星、三原色

 monogatary.comから6/14、タイアップが6/14、その他個別プロジェクトが2/14という結果になっています。

 デビュー直後に比べればプロによる原作が増えているものの、素人でも原作者になれるチャンスはまだまだありそうです。

 基本的にはmonogatary.comに投稿して実力を高めながら、YOASOBIの原作を募集するプロジェクトにアンテナを張っておくのがよさそうです。

内容面からの分類

 monogatary.com発の原作の内容をごく簡単にまとめてみます。

タナトスの誘惑:男女の歪んだ恋愛の皮を被った過労死の話。

夢の雫と星の花:告白されることを予知した男女が予知を実現させようとする話。

たぶん:別れたカップルの片割れが責任の所在を考える話。

めぐる。:めざましテレビが繋ぐ人々の輪の話。

世界の終わりと、さよならの歌:世界最後の日に出会った男女が音楽を通じて身の上を語り合う話。

大正ロマンス:中学生が大正野球娘に胸をときめかせたひと夏の思い出の話。

 

 なにか共通点があるでしょうか。

 まず、二人以上の人間の関係性をテーマにした話ばかりです。恋愛物が多め。

 ハッピーエンドな作品もあれば、バッドエンドな作品もあるので、そこはあまり気にしなくて良さそうです。ただ、どの作品にも優しさがあるような気がします(ひどくあいまいな感想ですが)。

 『めぐる。』はめざましテレビとのタイアップであるという趣旨をよく理解している作品です。個々のプロジェクトの顧客が求めているものに合わせることも重要ポイントだと思います。

 それから、全体的にぶっ飛んだ設定のものが多いところも少し気になります。

YOASOBIサイドに注目する

 YOASOBIの原作に使われるということは、YOASOBIのターゲット層に響くストーリーである必要があります

 では、YOASOBIのターゲット層とはどの層になるのか? 下記の記事によると、YOASOBIのファン層は、年齢では10代~30代、性別では男性がメインになるようです。

YOASOBIのヒットの裏側とは データから見る、2020年代の音楽マーケティング |博報堂WEBマガジン センタードット

 10代~30代の拡散力を考慮すると、新規顧客開拓のために40代をターゲットにすることは考えづらいところです。

 なぜ男性側に若干偏っているのかは下の記事の検索キーワードにヒントがありそうです。あまり性別は気にしなくて良いのかもしれません。

ヨルシカ・YOASOBIなど「夜好性」アーティストのヒットの要因を検索データから分析 | [マナミナ]まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン

 

 では、若者に受ける小説とは何なのか? 下の記事を見てみます。

contents.wizbiz.org

 これを見ますと、どの年齢層にも人気が高いのがミステリー小説・推理小説。年齢層が高くなるほど人気になるのがサスペンス小説・歴史小説・ドキュメンタリー小説(つまりこのジャンルは若者には不人気)。逆に若い読者ほど好むのが、恋愛小説、ファンタジー小説SF小説ジュブナイル小説、青春小説のようです。

 この調査は2012年のものっぽいので現代にも当てはまるか分かりませんが、おおよその傾向は変わっていないのではないでしょうか? 実際、YOASOBIの原作として選ばれた作品はほぼ全て上に当てはまります。

 おそらく、平将門が主人公のバキバキの歴史小説を投稿したり、綿密な調査に基づいた孫正義の伝記を投稿したりしても採用される見込みは低いものと思われます。

 また、今年になってYOASOBIはニューヨークにもちょくちょく広告を張っています。

 ニューヨークで宣伝をするのはかなりの費用がかかるはずなので、お遊びでこんなことはできません。世界進出を狙っていることは間違いありません。YouTubeにも数多くの英語コメントが投稿されていることを考えますと、世界市場を意識することも今後は必要になってくるかもしれません!?

まとめ

 まだまだ研究の余地はありそうですが、今日はこんなところで。

 ポイントは以下のとおりです。

  • monogatary.comに参加すればYOASOBIの原作者になれるチャンスはまだある!
  • 10代~30代をターゲットにした小説を書くのが良さそう!

 まあ、こんなことを考えている暇があったらmonogatary.comに投稿しまくれば?という話ですね。はい。

 

 それにしても、紅白では何をやるんでしょうか?

  • 顧客が求めるもの → 『怪物』
  • 私が求めるもの → 『優しい彗星』
  • NHKが求めるもの → 『ツバメ』

 たぶん『ツバメ』なんでしょうね。 


www.youtube.com

 

*1:ボーカロイドヤマハ

*2:AyaseがInstagramで幾田りらの動画を見て声をかけたというのが公式の談話です。

*3:YOASOBI - Wikipedia