たぬきのためふんば

ここにはめたたぬきが糞をしにきます。

FIREする前提で生きていく

 近頃、「仕事を辞めてえなあ」と思うことが増えてきたので、頭を整理するために誰も興味のない私の人生設計について書いてみたいと思います。

FIREについて

 昨今、FIREという言葉または概念が流行っています。FIREとは「Financial Independent and Retire Early」の略称で、まあ要するに「お金をたくさん貯めてさっさと退職してえぜ!」ということです。

 この「お金をたくさん貯めて」の部分には具体的なゴールがあります。生活費の25倍に当たる資産を作る、というのがそれです。

 なぜ25倍か?というと、トリニティ大学だかどっかの研究により、おおむね次のことが判明しています。

「資産を株式に投資した時、毎年、資産の4%を取り崩して生活していけば95%の確率で30年後も資産は底を尽きない」

 これは通称4%ルールと呼ばれています。より詳しいことは「トリニティスタディ」で検索すると出てきそうです。

資産の4%で生活する

=生活費は資産の4%に等しいかそれ以下でなければならない

=生活費の25倍の資産を持たなければならない

 従って、生活費の25倍の資産を持つことがゴールだっちゅうことになります。

FIRE達成のスピードを決めるのは貯蓄率

 ちなみに、生活費の25倍の資産を手にするための時間ですが、これは収入の多寡とは関係ありません。貯蓄率に基づいて決まります。月に10万円稼いで5万円貯金できる人の方が、月に1000万円稼いで400万円貯金できる人よりも早くFIREを達成できます。前者は収入の50%を貯蓄に回せるのに対し、後者は収入の40%しか貯蓄に回せないからです。前者は一ヶ月ごとに一ヶ月分の生活費を蓄えられるので25年でFIREを達成できます(ボーナスがなく、投資をしない場合)。対して、後者は一ヶ月で蓄えられるのは2/3ヶ月分の生活費ですから、FIREを達成するのに37.5年かかります(それはもはやFIREと言えるのか?)。

 もちろん、現実的には収入が多いほうが貯蓄率を高めやすいので有利ではあります。が、収入が多いというだけでは不十分だし、収入が少なくてもやりようはあるということはおさえておくべきでしょう。

(かといって、貯蓄率を高めようと無理をするのは無意味です。その無理は一生続ける必要があるからです。FIREした結果が苦しいのであればなんのためのFIREでしょうか。節約はサステイナブルでなければなりません。)

慎重派

 ですが、これを鵜呑みにするのはなんか不安です。

  • 逆に言えば5%の確率で資産が底をつくってことじゃなイカ
  • 今までそうだからって、これからもそうだとは限らないじゃなイカ
  • アメリカの研究が日本にも当てはまるとは限らないんじゃなイカ

 そういう慎重派の人のために、以下のような提案がなされたりもします。

  • 低リスクの起業をしたり、気楽なアルバイトをすればいいんじゃなイカ
  • 25倍よりももっと多くの資産を持っちゃえば安心なんじゃなイカ

 まあ詳しいことはググったりものの本を読んだり両学長のYouTubeを見たりしてください。(万が一にもありえないと確信していますが、この記事だけを読んでFIREを目指すのは絶対にNG!)

私の場合

 現在の私の生活費(社会保険料除く)は年間120万円弱です。これの25倍をしたいところですが、計算に用いるべき生活費は現在の生活費ではなく、FIRE後の生活費です。従って、お仕事を辞めると顕在化する国民健康保険料、国民年金保険料、介護保険料(+住民税)を考慮に入れねばなりません。

 というわけで、まあなんとなく私の生活費は年間150万円としてみましょう。これの25倍は3750万円になります。これが私のゴールということになります。

 給与だけだと道のりは遠いですが、投資が(低めに見積もって)2%くらいのパフォーマンスを挙げてくれさえすれば、まあそんなに遠くない未来のうちにFIREを達成できそうです。

FIREを達成するまでに考えなければならないこと

 私の場合、幸か不幸か「どうすればFIREを達成できるだろうか?」なんてことを考える必要はありませんし、「あと十何年も働かないといけないのか……」と絶望に暮れる必要もありません。結婚でもしない限りFIRE達成は時間の問題です。今のところ予定はありませんが、結婚するとしても奥さんの生活費は奥さんが稼いでくれるなら計画に支障はないですね(そういうこと考えている奴と結婚する人間がいるだろうか?)。

 そうなると問題は次の段階になります。

  • FIREを達成した後、何を生きがいにしていきまんねん?
  • いや言うほど今の仕事に生きがい感じとるか?
  • でも今の仕事が苦じゃないなら続けるのはアリか?
  • でも昇進したら面倒なことが増えそうだしやっぱナシか?
  • 辞めるってどういう場で言えばいいんだろう?
  • どういうタイミングで辞めるのがベストなんだ?
  • 健康診断でやばい結果が出たら辞めやすいなあ……。
  • いややばい結果が出たら生活費が増大するから辞めづらくなるのでは?
  • てかあと数年だけ働けばいいんならリスクを取って転職するのもアリじゃないか?
  • 家族はなんと言うだろうか?
  • いや家族とか関係なくね?
  • 自分のやりたいことって何だろう?
  • 今自分は何を我慢して生きているんだろう?
  • 人は何のために生きているんだろう?
  • 生きるってなんだろう?
  • 生きてるってなんだろ?
  • 生きてるってなあに?

みたいなことを考えたりします。FIREを達成するまでに答えを出さねばならない課題です。

 まあとりあえず、FIREという概念を知らなかった頃よりは視野が広がった気はします。このブログも生きがいづくりの一環ですし、収入源作りの準備という意味では転職活動の一環でもあります(たぶん上手くいかない)。仕事を一分でも早く辞めるために小説でも書いて一山当てられんだろうか、と考えたりもします(たぶん上手くいかない)。

大きなお世話

 こんなことを書くような生活を送っていると、グーグルニュースあたりに「FIREにはこんなリスクが!」みたいな記事がバンバン来るようになるのですが鬱陶しいことこのうえありません。大きなお世話だと言いたい。

 そういう記事(これとか)を読むと、なぜか以下のような謎の前提を当たり前のように持ち出してきます。

  • 日経平均のみに投資するという前提
  • 生活費が400万円であるという前提
  • 40歳までにFIRE達成を目指すという前提
  • 仕事が生きがいであるという前提
  • 自己投資をすれば収入が大きく伸びるという前提
  • 趣味に金を使わないという前提
  • 節約をする人生は苦痛に満ちている(楽しみが皆無である)という前提

 はっきり言って、うるせえよ、うるうるせえよ、うるせえよという感じです。

 いや、MBAを取得することで大金を稼げる確実な見込みがあるうえにそれを成し遂げるバイタリティがあって、仕事のおかげで人生に満足を感じていて、ゴルフや欧米あたりへの旅行が趣味で、家庭持ちの人間が「40歳までにFIREしてえぇ~!」とか考えねンだわ。

 

 ともかく、そんな感じのことを考えながら生きている今日このごろです。

 ちなみに、私がFIREについて勉強するために読んだ本がこちらです。

 「仕事辞めてえ~!」と思う可能性がある方は読んでおいて損はないと思います。

 英語がスラスラ読める方は著者のブログを読むのもありかも。

www.millennial-revolution.com