問
機械装置300万円を購入した(残存価額:0、200%定率法)。
耐用年数は5年だが、税法上は8年である。実効税率30%として、税効果会計を適用した場合に必要となる仕訳を示しなさい。
こういう問題がありました。減価償却の問題はもうお手の物よ!と言いたいところですが、知らない言葉が出てきました。
「税効果会計」とはなんでしょうか。
税効果会計とは、会計上算出される法人税等の額と、実際に算出される法人税等の額の差異を埋める処理のことを言います。
考えるより先に、とりあえず計算してみましょう。
会計上の法人税等の額
減価償却費:300万円×(1/5×2)=120万円
残高:300万円-120万円=180万円
税額:180万円×30%=54万円
税法上の法人税等の額
減価償却費:300万円×(1/8×2)=75万円
残高:300万円-75万円=225万円
税額:225万円×30%=67.5万円
54万円-67.5万円=-13.5万円
計算してみると、実際に支払う法人税等の額に比べて、会計上の方法で算出される法人税等の額が13.5万円少ないことがわかりました。
これを無視するということはせず、帳簿上に反映させます。それをどのように表現するのか?
勘定科目は、「法人税等調整額」と「繰延税金資産(負債)」を使用します。
まず、税効果会計を適用する前の状態では
(借方)法人税等 675,000
となっています。実際に払った(払う)額が計上されています。これを会計上の数字に合わせていきます。ここから13.5万円減らすわけなので、
(借方) (貸方)法人税等調整額 135,000
となります。
最後に、反対側に繰延税金〇〇を入れれば終わりです。今回は左側に入れるので資産ですね。従って正解は、
(借方)繰延税金資産 135,000(貸方)法人税等調整額 135,000
となります。
まあ、意外とそんなに難しくないかも?
現実を会計に合わせていくという順番が大事かもしれません。そこを逆に考えてしまうと、書く場所も逆にしてしまうので。
どっちか分からなくなったときは、逆から考えてみるのもいいかもしれません。会計に比べて実際の方が多く支払っている時は、前払いと同じだから繰延税金資産が発生するはず。だから法人税等調整額は貸方に書けばいい、と考えていくことができます。ちなみに、税効果会計は一時的な差異が発生したときにのみ使えるものなので、会計より現実の方が多い=最終的にはトントンだけど先にちょっと多めに支払っている=前払い、となります。