Q.残高証明書を取り寄せたところ当座預金勘定と一致していなかった。原因は以下の4つ。
- 小切手を振り出したが、銀行にまだ呈示なし
- 小切手を受け取って当座預金増加としたが銀行に預け入れてなかった
- 電子記録債権の振り込みの記帳をしていなかった
- 決算日に夜間金庫に預け入れたが当日の入金として処理していなかった
(1)銀行勘定調整表を完成させて
(2)修正仕訳をして
人間は過ちを犯す生き物です。できあがった帳簿の数字が銀行の残高と一致していなかったら、確認が必要です。帳簿上の数字と銀行の残高が一致しないのは、ただのタイミングの問題なのか、会計処理を誤ったのか?
そのために作成するのが銀行勘定調整表のようです。
銀行勘定調整表を完成させるには
頭の中で考えるとこんがらがりそうな問題です。
まずは、帳簿と口座それぞれどのような動きをしたのか書き出してみます。
- <帳簿>- <口座>0
- <帳簿>+ <口座>0
- <帳簿>0 <口座>+
- <帳簿>+ <口座>0
解答用紙の銀行勘定調整表は
- 残高証明書の残高
- 加算
- 減算
- 当座預金勘定の残高
と下に降ろしていく構造になっています。ですから、口座を基準にして帳簿に合わせていく作業になります。従って、
- 口座からマイナス(0→-)
- 口座にプラス(0→+)
- 口座からマイナス(+→0)
- 口座にプラス(0→+)
となります。
修正仕訳
口座残高とのズレが発生した原因が記帳のミスであれば、仕訳を修正しなければなりません。一つ一つ考えていきましょう。
- 相手がまだ銀行に呈示していないとはいえ、いつでも呈示されうるものなので、これは修正なし
- 小切手を受け取ったら、まずは現金で処理しなければなりません。当座預金に預け入れをしていないのであれば、当座預金を減らして現金を増やす処理が必要。
- 記帳すべきものを記帳していなかったのだから記帳しないといけません。電子記録債権を減らして当座預金を増やします。
- 銀行がいつ処理したかは会計処理と関係ないので、修正なし。
「ズレの原因は自分に責任があるのか他人のせいなのか?」を問えばいけそうな感じです。
貸借対照表に計上される当座預金
修正仕訳を行ったので、それを反映させて改めて当座預金勘定を算出すればいいだけの話。
まとめ
というわけで、以下の二点を実行すれば、そんなに難しい問題ではなさそうです。
- 帳簿と口座の動きを書き出す
- 基準とするのがどちらかを確認する
銀行勘定調整表は必ず銀行残高が基準(スタート地点)となるとは限りません。帳簿が基準になる場合もあるので油断禁物です。