たぬきのためふんば

ここにはめたたぬきが糞をしにきます。

成績を上げたければまずは得意科目を作ろう

この記事は、東大法学部卒のバビボが主に中高生向けに成績を向上させるきっかけを与えられればと思って書いたものです。

 

「学校の成績を上げたい!」

 

 中学生や高校生なら、そういう気持ちは多少なりともあるのではないでしょうか。

 しかし、それを実現できている人は多くないのではないでしょうか。

 チャレンジしたけど失敗した人もいるかもしれないし、そもそも願望だけあって行動に移していない人もいるかもしれません(後者が圧倒的に多いと予想します)。

 あなたがいずれに該当するにせよ、原因は同じところにあるかもしれません。

 その原因とは、最初に何をすればいいのか分からないことです。

 それに対して、私は一つの答えを持っています。それは

「得意科目を作りなさい」

ということです。

 以下、詳しく解説していきます。

得意科目とはなにか?

「得意科目? それならあるよ。英語が得意なんだー!」

 なるほど、それは良いことです。

 では、問います。

「その科目の成績は、周囲の生徒と比べて秀でてますか?」

 この質問への答えがYESであれば、素晴らしい。今日の記事はもう読まなくていいかも知れません。

 もしNOであれば、とりあえず一旦、それは得意科目ではないということにしておきましょう。

 学校によっては順位などが出ないこともあるようなので、そういうときは、90点以上取れるかどうかを基準にしておけばいいのかなと思います。

 要するにですね、私にとっての得意科目とは、テストの点数を周りに自慢したくてたまらなくなるくらい良い点数が毎回取れる科目のことを言います。

 なぜこの得意科目を作ることが最初にやるべきことだと言えるのか?

 次はそれを書いていきます。

得意科目を作るメリット

1.自信になる

 はい、まずこれ。おそらくまだこの記事を読んでいるあなたは、狙って高得点を出したことがない方だと思います。

 しかし、得意科目を作れば、もうあなたは以前のあなたとは違います。

 学校の成績とは自分の努力でコントロールできるものだということを、得意科目持ちのあなたは知っています。

 それは大いなる自信になります。

 しかも、根拠なき自信ではなく、根拠ある自信です。

 自信はとても大事です。

 自信がないと、本当は東大に入るポテンシャルがあるのにハナから東大を諦めてしまう……なんてこともありえます。それはとても愚かなことです。

2.一つの科目限定でよいなら上位は取りやすい

「自信が大事なら、全科目で高得点取ればいいじゃないか!」

と思うかも知れませんが、それができれば苦労しませんね。

 得意科目を作ることは、まだ勉強に不得手なあなたが、勉強が得意な人に勝つ唯一の方法なのです!

 たとえば、期末試験があるのが、英語2科目・数学2科目・国語1科目・歴史1科目・理科1科目の計7科目だったとします。

 すべての科目で高得点を取ろうとすると、あなたが勉強に振り分けられる時間を、さらに7科目に振り分けなければなりません。

 しかし、もし1科目だけ頑張ればいいのなら?

 単純に、全科目で頑張る人よりも7倍の時間をその科目に割けますね。

 人より7倍頑張って負けることはそうありません。

 まだ勉強の仕方がよく分かっていないあなたにもチャンスはあるということなのです。

 勝てる見込みのない試合より、勝てる可能性のある試合の方が気力が湧きますよね?

 そういうことです。

ランチェスター戦略の話

 ちなみに、強者に対して弱者が力を一箇所に集中させて局地戦で勝つことを目指す戦略をランチェスター戦略といいます。

 これはビジネスでも重要な観点になりますので、ぜひ得意科目を作って自分の身を以て体感してみてください。

3.一度良い点を取ると、それがあなたのスタンダードになる

 狙って良い点を取ると、価値観が変わります。

 あなたが得意科目で獲得した点数があなたの中で基準になります。

 次も同じくらいの点数(あるいはもっと良い点数)を取りたくなります。

 次のテストでさぼって悪い点数を取ったら、もはやかつてのようにのほほんとはしていられません。

 そして、だんだんと他の科目の点数が多少なりとも物足りなく思えてくるはずです。

 試験の問題を解きながら、何問解けたかより何問解けなかったかが気になってくるはずです。

 これは重要です。

行動経済学の話

 ちなみに、人間には損失回避バイアスというものがあることが分かっています。

 これは、人間は同じ額の得と同じ額の損なら損の方を大きく感じる傾向にあるということです。

 たとえば、「健康診断に来てくれたら千円さしあげます」というキャンペーンと、「千円さしあげますが、健康診断に来てくれなかったら没収します」というキャンペーンだと、後者の方が効果があるのです。人間はお得情報には鈍感でも、損することには敏感なのです。

 また、人間には現状維持バイアスというものもあります。現状維持バイアスとは、これまでと同じ状態を維持しようとする傾向のことをいいます。

 たとえば、自由席の教室で授業をすると、だいたいの生徒は最初に座った席に座り続けたりするのです。

 こういった人間の行動の法則を明らかにして、社会の役に立てようという学問を行動経済学といいます。興味があれば『アリエリー教授の「行動経済学」入門』あたりから読んでみることをおすすめします。

 得意科目を作ることは、行動経済学を利用した戦略といえるかもしれません。

4.将来的に横展開が可能

 前提として、他者より秀でている分野があるということはそれ自体とても価値のあることです。

 もしあなたの得意科目が英語だった場合、通訳や翻訳者など、それ自体が仕事になりうる可能性を秘めています。

 そうでなくても、私立大学の入試の場合、科目数が少ないので一科目突出しているとまあまあ有利になるはずです。

 しかし、多くの人にとって大事なのは、得意科目を作る過程で、勉強のノウハウを身につけられることなのです。

 上で、「得意科目を作ることは、まだ勉強に不得手なあなたが、勉強が得意な人に勝つ唯一の方法なのです!」と書きましたが、得意科目を手に入れたあなたはもはや勉強に不得手なあなたではないはずです。

 勉強する習慣は身についているし、良い点数を取るにはどうしたらよいのかも分かっているはずです。

 つまり、得意科目を得たあなたは全教科を得意科目にできる可能性を秘めているのです!

何を得意科目にすべきか?

 得意科目を作ればいいのは分かった。じゃあ、どの教科を得意科目にすればいいのか?という問題が浮上します。

 基本的には、各自の好みで決めればいいとは思いますが、おすすめはあります。

オススメは地歴公民

 私が勧めるのは、地歴公民です。つまり、地理、日本史、世界史、倫理、現代社会(公共)、政治経済です。

 なぜでしょうか?

 それは、積み重ねが必要ない科目だからです。

 得意科目を作ろうと思ったときに、今習っている範囲だけを勉強して点数が取れる科目だからです。

 しかも、テストを解くために必要な要素の大半を占めるのが記憶になります。

 覚えるべきことを覚えてさえいれば、得点できる。それが地歴公民。

 やるべきことがシンプルかつ達成しやすいですし、記憶はその他の科目でも決定的に重要な能力です。

オススメしないのは英語・数学・国語

 逆にオススメしないのは、英語や数学です。

 これらは積み重ねが物を言う教科です。

 be動詞を理解していない人が英語を得意科目にしようと思うと、中学1年生の勉強からやり直さないといけません。

 今まさに中学1年生ならぜひ英語を得意科目にすべきですが、そうでないなら後回しにしてもいいかもしれません。

 数学はさらに複雑で、単元の知識と同じくらい計算力や多少のセンスが重要になってきます。

 もしそれらがない場合、意図して高得点を取ることは難しくなってきます。

 国語も同様です。

 なので、確実に得意科目を作りたいのであれば、これらの科目は避けておくのが無難でしょう。

 ただし、この三科目は最終的には最重要科目になりますので、こやつらが挑戦すべき最後のターゲットだということは頭に入れておいていいでしょう。

注意点 受験生には当てはまらない

 この得意科目戦略ですが、一つ欠点があります。

 全科目での点数をすぐに上げる必要がある状況においては使えないということです。

 具体的にいうと、残り数ヶ月の間に本番が訪れる受験生には向かないかもしれません。

 というのも、この戦略は

  1. 選んだ科目を集中的に勉強して次の試験で良い点を取る。
  2. 1で得たものを活用して他の科目の点数を上げる。

という二段階の手順を踏むことを想定しているからです。

 そうなると当然、時間がかかります。

 よって残された時間の少ない受験生には向かないということになります。

 そもそも、得意科目を作る目的は、「成績を上げたいけど勉強する気にならんなあ」という状況を打開することです。

 受験生であれば自信があろうがなかろうが、自分の中のスタンダードがどれくらいであろうが、可能な限り良い点を目指して勉強せざるを得ない状況にありますので、前提が違うのです。

まとめ&自分の話

 というわけで、もしあなたがテストの点数を上げたいと思っているなら、まずは得意科目を作ってみるのはどうでしょうか?というお話でした。

 私がこの理論にたどり着いたのは中学3年生の時です(中高一貫校でした)。

 世界史の授業でなぜか課題のレポートが高く評価され、それに気をよくしたせいか、たまたま試験の成績も良い点数が取れました。学年でトップテンに入るくらいです。

 そうすると、次のテストでも良い点を取らなきゃという気持ちになって頑張りたくなってしまったのです。

 その時に私の中で起きた変化を整理すると、上で書いたようになるわけです。

 ちなみに、高校一年生の時に始まった倫理はさらに大好きでして、勉強が楽しい→良い点数が取れる→もっと勉強のしがいが生まれる→もっと良い点数が取れる……のスパイラル。

 倫理に関してはセンター試験の過去問を解いていても90点以上が通常でして、こういうのがあると過去問を解くたびに良い気分になれるという効能もあります。地味に大事かもしれません。

 じゃあ世界史はどうかというと、受験生シーズンには、世界史は得意というほどのレベルではなくなっていて、どちらかというと英語の方が得意だったかもしれません。

 というふうに、ここで選んだ得意科目をいつまでも自分の中で一番得意な科目にしていく必要性はないということも申し添えておきます。

 だから英語を得意科目にしたいんだよな~という人も、まずは世界史の勉強から始めてみたっていいのです。

 

「うん、得意科目を作ればいいのは分かった。でも、どうやって?」

というのが次に出てくる疑問だと思いますので、次回は勉強を続けるために必要な話をしたいと思います。