たぬきのためふんば

ここにはめたたぬきが糞をしにきます。

一問目 建設仮勘定とは

「工事費を建設仮勘定として計上していた。工事が終わったので〇〇に△△円振り替えました」

 私が最初に解いた問題です。

「建設仮勘定とは???」

 私の頭の中は混乱に渦巻いていました。資産か負債か費用かも分からない!

 というわけで考えます!

建設仮勘定とは?

 まず、Wikipediaで調べてみます。

 建設仮勘定は、建設中の建物や製作中の機械など、完成前の有形固定資産への支出等を仮に計上しておくための勘定科目である。有形固定資産が完成し、事業の用に供した時点で、本勘定に振り替えることを要する。

建設仮勘定 - Wikipedia

 

 なるほど。

 私は勘違いしていました。建物などを建てた時、「預金などの資産が減って、建物などの資産が増える」ということになると。しかし、そうではないのです。

 なぜなら、建物が建つのには時間がかかるからです。工事中の建物はまだ建物とは言えないということですね。

 そこで、「建物になる予定だけどまだ建物ではない何か」などのことを簿記的に表現する言葉が「建設仮勘定」なのです。

仕訳をする

 というわけで、建設仮勘定は「建物になる予定だけどまだ建物ではない何か」、つまり建物みたいなものです。建物は資産なので、建設仮勘定も資産です。

 例えば、現金1,000,000円を払って建設工事に取り掛かったら、

(借方)建設仮勘定 1,000,000 (貸方)現金 1,000,000

と仕訳をして(建設仮勘定が増えて現金が減った)、完成したら、

(借方)建物 1,000,000 (貸方)建設仮勘定 1,000,000

 こうするというわけです(建設仮勘定が減って建物が増えた)。

 修繕工事の場合は、建物が増えるのではなく費用がかかることになりますが、書き方としては科目が変わるだけですね。

実際の貸借対照表で見てみる

 ついでなので、実際の貸借対照表(バランスシート)の中で、使われているところを見てみたいと思います。

 なんとなく、三井不動産の第三四半期報告書を選んでみました。

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建設仮勘定

 ありました。2020年末現在、三井不動産が工事に投じたお金のうち2252億円分はまだ未完成、ということが読み取れますね。