たぬきのためふんば

ここにはめたたぬきが糞をしにきます。

連結修正仕訳その2

 前回の続きです。前回は子会社を取得した時の修正仕訳について書きましたが、肝心の問題に答えていませんでした。 

weatheredwithyou.hatenablog.com

 

 あらためて問題を見てみます。

 

子会社(当社の持株割合80%)から土地(子会社の帳簿価額1000万円)を1500万円で購入した。連結財務諸表を作成するに当たり、親子会社間における土地の売買取引に係る連結修正仕訳をして。

 

 まず、修正仕訳をしなかった場合、どのように計上されるのかを考えてみましょう。

借方 貸方
現金 15,000,000 土地 10,000,000
    固定資産売却益 5,000,000

借方 貸方
土地 15,000,000 現金 15,000,000

  となります。これを合算すると

借方 貸方
土地 5,000,000 固定資産売却益 5,000,000

 

 これが不合理なのは明らかです。これが許されるのであれば、取引の回数や値段設定次第でいくらでも資産を増加させ利益を増やすことができてしまいます。 

 ですから、親子間の取引(によって発生した利益)はなかったことにします。修正仕訳は以下の通り。

借方 貸方
固定資産売却益 5,000,000 土地 5,000,000

 

 さて、子会社の持分割合が100%ならこれで終わりですが、今回は持分80%です。そして、利益が計上されているのは子会社の方です。ということは、もし修正仕訳を行わなかった場合、以下のような仕訳が行われます。

借方 貸方
土地 5,000,000 固定資産売却益 5,000,000
非支配株主に帰属する当期純利益 1,000,000 非支配株主持分 1,000,000

 子会社が得た500万円の利益のうち、連結して計上されるのは80%の400万円のみということになります。ですから、利益から20%相当の100万円を引きます。その100万円は純資産に計上されますが、親会社の利益剰余金ではなく、非支配株主持分に加算されるということです。

 というわけで、総合すると修正仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
固定資産売却益 5,000,000 土地 5,000,000
非支配株主持分 1,000,000 非支配株主に帰属する当期純利益 1,000,000

 

 上はいいとして、下の段が難しいですね。

 私なんかはなんで固定資産売却益を消しているのにさらに非支配株主に帰属する当期純利益を消すんだろう?とけっこう考えた末に、左右が逆であることに気づきました。

 ちなみに、実際に問題を解くにあたっては、上のように一から考えていると時間が足りなくなってしまうかもしれないので、取引を消すのではなく利益を消すと考えた方がよいのでしょうね。

 

 今回から、スプレッドシートの表を貼り付けることを覚えたのですが、サイズ調整が難しい~。