前回、工業簿記について書きましたが、
weatheredwithyou.hatenablog.com
まだまだ分からない問題は多いです。引っかかったポイントについてまとめていきます。
他にも学ぶべき要素はあるのですが、以下のことさえわかっていれば、わりと雰囲気で解けるのではないかという気がしています。今のところは。
仕訳のルート
前回、費用には
- 製造直接費
- 製造間接費
の二種類があると考えておけばいいと書きました。
材料→仕掛品→製品
というライフサイクルがあるとも書きました。
ここが地味に大事な部分のようですので、もう少し深堀りしていきます。
費用→仕掛品→製品
まず、費用は必ず仕掛品の原価として計上されるようです。つまり、仕掛品を経由せずに製品に直結するということはなさそうなのです。
たとえば、「材料20000円を使って、製品を作りました」という場合の仕訳は次のようになると思われます。
下のようにはならないようです。
製造間接費(に分類されるもの)は製造間接費(という勘定科目)を経由する
次に、製造直接費は直で仕掛品にすることができますが、製造間接費(に分類されるもの)は製造間接費(という勘定科目)を経由しないといけません。
これが重要な違いを生みます。
たとえば、労務費について、仕訳をすると以下のようになります。
直接工への100万円の賃金が発生した場合
間接工への100万円の賃金が発生した場合
とはいえ、最終的には製造間接費は仕掛品に化けます。
賃金の支払いと計上
賃金の計上は、労働者が働いた時に計上します。計上することと支払うことは別物です。
以下のような状況の時、今月の賃金としていくら計上されるでしょうか?
期首未払高: 100,000円
当期支払高:1,000,000円
期末未払高: 200,000円
まず、期首未払高は先月までに発生した賃金なので、先月までに計上が済んでいます。期末未払高の中には、今期新たに発生したいずれ支払うべき賃金が含まれていますが、それは計上する必要があります。
というわけで、計算式は以下の通り。
当期賃金=当期支払高+期末未払高-期首未払高
=1,000,000+200,000-100,000
=1,100,000
商業簿記の原価計算のノリでやると間違えてしまいますので、じっくり考えた方が賢明かもしれません。
ちなみに、支払と計上は別物だというのは、どのような仕訳が求められているかを判断するときにも重要です。本社工場会計で、「賃金の消費額を計上する」というフレーズが出てきたときは、賃金を仕掛品か製造間接費に振り替える仕訳をしろという意味です。「賃金を支払った」というフレーズの場合は賃金が発生して現金なりなんなりが出ていったという仕訳をしろという意味になります。
予定配賦
予定配賦とは、実際の製造間接費が判明する前に、予定で製造間接費を設定してしまうことです。予定配賦の始まりから終わりまでは以下のようになります。
1.予定配賦
2.実際を計上
3.配賦差異の計上
4.年度末
というわけで、予定配賦すると書かれていたら、1をやるということになります。