たぬきのためふんば

ここにはめたたぬきが糞をしにきます。

商品の仕訳について

「当社は棚卸資産の払い出し単価の決定方法として移動平均法を採用している」

「当社は払い出し単価の決定方法として先入先出法を採用している」

という文言が大問2では出現します。

 それぞれが意味するところが分からないと、おそらく大打撃になります。これについてまとめていきます。が、まずは仕入の仕訳から学び直します。

 

商品に関する仕訳について

 商品を仕入れたときには仕訳をします。売り上げたときにも仕訳をします。このやり方はいくつかあります。それをまとめていきます。

三分法

 おそらく基本となるのが三分法というやり方です。というのは、第一問では使用できる勘定科目が限定されているため強制的にこれでやることになるからです。

 以下のような仕訳をします。

 

仕入れ時>

(借方)仕入 X円 (貸方)買掛金 X円

<売上時>

(借方)現金 Y円 (貸方)売上 Y円

 

 シンプルですね。ただ、原価の算出の仕方はもう少し複雑です。

 

<原価の算出の仕方>

原価=(当期仕入高+期首商品)-期末商品

 

 前回の残りと今回の入りから次回に持ち越す分を引いたのが、今回の原価になった分ってことですね。

分記法

 三分法では期末になるまで原価を算出できない、在庫も分からないということになりそうです(帳簿上は)。でも、いつでも利益は把握できるようにしたいのが実情です。

 そこで登場するのが分記法のようです。

 

仕入れ時>

(借方)商品 X円 (貸方)買掛金 X円

<売上時>

(借方)現金 Y円 (貸方)商品 X円

          (貸方)商品売買益 Y-X円

 

  利益がわかりやすくなりました。取引の数が増えてくると、原価については別で把握しておく必要が出てきますが、この点は後述します。

販売のつど売上原価勘定に振り替える方法

 しかし、分記法を眺めて思うのは、これだと売上が分かんなくない?ってことです。たしかに最重要なのは利益ですが、売上の把握も必要です。

 そこで登場するのが「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」です。

 

仕入れ時>

(借方)商品 X円 (貸方)買掛金 X円

<売上時>

(借方)現金 Y円 (貸方)売上 Y円

(借方)売上原価 X円 (貸方)商品 X円

 

 ちょっと難しくなりました。が、これがどのような課題を解決するために編み出されたのかを整理すれば、納得がいきます。

 まず必要なのは売上を把握することでした。なので、売り上げたときには売上を使うわけです。次に必要だったのが利益を把握することでした。売上が分かっているのならば、原価さえ分かれば利益を算出するのは容易です。よって、原価を使います。原価として計上するまでの間、仕入れたものは商品とします。

 というふうに、過程を踏まえれば、なるほどという感じがします。

原価の算出の仕方

 「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」によって大きな問題が解決されたように見えます。しかし、利益を常に把握しておきたいという欲望は、新たなる問題を生み出します。それはどのように原価を捉えるか?という問題です。

 上の記載例は、フラットな状態のところに一個の仕入れがあって、次に一個の売上がある、というシンプルな状況を想定していました。しかし、実際には、いくつもの仕入といくつもの売上が複雑に絡み合っていますから、「売上原価がいくらか?」というのはそう簡単な話ではありません。

 簿記二級で出てきそうな原価の算出の仕方は二つです。

移動平均

 まず移動平均法。在庫の総額を個数で割ることにより算出する方法です。

 たとえば、次の順番で取引をしたとします。

  1. 商品Xを100円/個で10個買った。
  2. 商品Xを200円/個で5個売った。
  3. 商品Xを150円/個で5個買った。
  4. 商品Xを300円/個で8個売った。

 この時、各段階での原価は以下の通り。

(在庫状況)

総額:1,000円

個数:10個

→単価:100円/個

(売上原価または商品)

100円/個×5個=500円

(在庫状況)

総額:1,250円

個数:10個

→単価:125円/個

(売上原価または商品)

125円/個×8個=1,000円

※取引後の在庫

総額:250円

個数:2個

 

 こんな感じに、商品を仕入れるごとに、原価をならしてしまいます。株式投資などではこの方法で利益を算出しなければなりませんので、人によっては馴染みもあるし、わりと自然な方法ではないでしょうか。

先入先出法

 移動平均法のように同じ商品だからといってまぜこぜにせず、同じ商品でも仕入れた順番に従い別個に管理するのが先入先出法です。

 上の例の時、先入先出法では以下のようになります。

(在庫状況)

100円/個:10個

(売上原価または商品)

100円/個×5個=500円

 4

(在庫状況)

100円/個:5個

150円/個:5個

(売上原価または商品)

100円/個×5個+150円/個×3個=950円

※取引後の在庫

150円/個:2個

 

 管理は大変そうですが、考え方は単純ですね。先に入れたものを先に出すから先入先出法なのでしょうか。

まとめ

 というわけで

  • 三分法
  • 分記法
  • 販売のつど売上原価勘定に振り替える方法

について見てきました。

 売上と原価に関わる、商売の肝になる部分なので、大事にしたいですね。