乃木坂46の40枚目シングル『ビリヤニ』のフォーメーションが発表された。
3列目:小川・弓木・中西・梅澤・菅原・筒井・岡本
2列目:川崎・井上・久保・一ノ瀬・池田
1列目:賀喜・瀬戸口・矢田・遠藤
とりあえずセンターは予想どおり。
乃木坂には新人が加入したら間もなくセンターに抜擢する伝統があるから、タイミングとしては早ければ今回、遅くても次回というのが大方の見方だったのではなかろうか。そして誰がセンターに選ばれるかという点についても、矢田と瀬戸口以外には考えられず、ダブルセンターの可能性が高い。というのがやはり乃木坂ファンの中で大勢を占める予測だったのではないか。(ほかの可能性としてあったとすれば、矢田・瀬戸口・森平の3人でフロントを組む『夜明けまで強がらなくていい』方式か。)
そして、6期生のダブルセンターであれば、両脇で支える役を賀喜と遠藤に任せるというのも順当。
少し意外だったのは、久保がまだ参加するのかということ。今シングルの発売日は、久保の卒コンの1日目と同日なのだから。ただ、参加するのであれば、センター裏というのはやはり順当。
2列目を久保・井上・池田・一ノ瀬・川崎で占めるというのも個人的には少し意外だった。中西と梅澤を3列目に下げるのかと。正直、センター中西もありうると考えていたぐらい、中西には期待がかかっていると思っていたのだ。仮に各ポジションに序列以外の意図があるとするならば、梅澤に関しては久保や菅原と並べたかったのかもしれない。中西は『逃避行』でペアだった弓木と並べたかった可能性はあるか。(そう考えると親分子分の久保と一ノ瀬を隣同士にしたのにも意図があるかも。菅原と筒井も仲が良いイメージがあるし、ビリヤニは団欒の象徴なのかも?)
最大の驚きは3列目にある。
今回は選抜の人数が前回と変わらず16人。6期生から二人が新規参入したため、二人がアンダーに落ちることになる。
では、誰がアンダーに落ちるのか? 真っ先に俎上に上がるのは、前回の3列目である小川・五百城・菅原・冨里・岡本・筒井・弓木。運営はこの中から五百城と冨里を落とすことを選択した。
これは衝撃である。ありえない選択だからだ。
五百城茉央は、デビュー以来8シングル連続で選抜入り。そのうち4作で2列目を経験している。それだけではなく、5期生で最初に写真集を出版し、上々の売上を記録。ドラマの主演やCM出演。ヴィッセル神戸のアンバサダーに就任、などなど……。活動3年目にして、すでに多数の仕事をこなしているエリート中のエリートである。
また、一ノ瀬とは38枚目シングルまで同じ列を経験していたから、二人は完全に同格。39枚目では一ノ瀬がフロントに上がった一方で、五百城が3列目に下がったわけだが、いずれ五百城もフロントを任されるに違いない。というのが私の認識だった。
それがまさかの選抜漏れである。前回のシングルで3列目に下げたのは運営からの評価が下がったことを示していたとでもいうのだろうか? しかし、評価が下がる理由がない。人気を示すミート&グリートの売上は変わらず上位だし、上に挙げた仕事の数々はここ最近の出来事である。パフォーマンス力(特に歌唱力)も高いレベルにある。
やはり五百城がアンダーに落ちるのはどう考えてもおかしい。
そこで私の出した結論はこうだ。
乃木坂46はアンダーを再定義しようとしている。選抜が一軍で、アンダーが二軍という構造を破壊し、アンダーを別働隊として位置付ける。その決意の表れが、五百城茉央のアンダーセンター抜擢である。
五百城がほかのメンバーに比べて劣っていたからアンダーに下げたのではなく、ほかのメンバーに比べて優れているからこそ新しい位置付けのアンダーセンターを託す。
次回のアンダーライブは武道館で3日間行われる。武道館のキャパは15,000人。久保の卒コンが行われる横浜アリーナは17,000人だから、松尾と矢久保は久保とほぼ同じ待遇で卒業イベントを行うことができるのだ(会場だけで考えれば)。
これを可能にするのはアンダーとは思えない豪華なメンバー構成である。メンバー14人のうち、五百城・冨里・奥田・林・金川・田村は前々回のシングルで選抜入りをしていたメンバーだし、岩本も去年までは選抜常連。今回のアンダーの半分は選抜入りしても全然おかしくないメンツなのである。あえて大袈裟に言えば、ほぼ選抜みたいなもんである。
この「ほぼ選抜みたいなもん」みたいな印象をもたらしているのは、ほかならぬ五百城の存在である。今回アンダーに移った(ここからは「落ちた」ではなく「移った」と表現することにする。)のが五百城・冨里ではなく、弓木・筒井だったらどうか。選抜=5期生、アンダー=4期生という構造が強化されてしまう。冨里・岡本だったらどうか。ボーダーライン上の二人がまた戻ってきたかという感覚が強くなってしまう。それでは「選抜=一軍、アンダー=二軍」の枠組みから抜け出せない。小川でも久々に帰ってきたなという感想を持たれてしまう可能性が高い。小川はアンダーを4回経験してから選抜に上がっているからだ。アンダーの経験がなく、かつ、選抜のフロントでもおかしくない五百城だからこそ、アンダーに箔を付けることができるのだ。
もちろんリスクはある。五百城に二軍としてのアンダーのイメージが付いてしまい、人気が落ちてしまうなんてこともありえなくはない。そうなれば、アンダーの再定義という試みも失敗に終わるに違いない。
それだけに五百城の負担は大きい。次のアンダーライブが、五百城とアンダーの未来を左右するかもしれないのだから責任重大である。しかも、選抜組が音楽番組でパフォーマンスをする時は、すでに久保が抜けている可能性が高い。その穴を埋めるのが五百城だとしたら、多忙を極める。
しかし、得られるものも大きいはずだ。五百城は期別楽曲以外のセンター曲を得られるし、それなりに大きい規模のライブの座長を務めることができる。この経験は大きな糧になるに違いない。ここを乗り越えられれば、41枚目シングルでフロントに選ばれる可能性は十分にある。
というような妄想を繰り広げているのだが、ポジティブに考えすぎだろうか。
仮にこの妄想が正しければ、6期生が加わって37人(小津が復帰すればプラス1)で活動するようになったとき、おそらく選抜19人、アンダー18人くらいの人数配分になるのではないか。3期生あたりの卒業が続けばさらに少なくなるかもしれない。そうだとすると新たに増えた枠には6期生から森平・海邉・鈴木・大越あたりが入ってくるだけで、3〜5期生が入れる枠は増えない可能性が高い。そうでないとしても、次回とさらにその次回で、一ノ瀬や川崎がアンダーに移ると考えておいてもいいかもしれない。
また、これまでのアンダーは選抜とのボーダーライン上にいるメンバーがセンターを務めてきたわけだが、これからのアンダーは選抜常連ながらも表題曲センターにはなれないメンバーがセンターを張る場になるということだ。これは人気メンバーのファンにとってはかなり魅力的だが、ボーダーライン上のメンバーのファンにとっては必ずしも喜ばしいことではないかもしれない。
だが、アンダーの中でもセンターになれる人となれない人は現状においてもいるわけで、これまでのやり方が正しいとは限らない。興行としての成功度合いやメンバーのモチベーションなど様々なものを天秤にかけて模索していけばいいのだろう。
いや、今のところ全部妄想なんですけどね。