たぬきのためふんば

ここにはめたたぬきが糞をしにきます。

米国株投資から足を洗う。

 米国株投資から足を洗うことにした。

 理由は三つある。

 一つ目は実利的な問題だ。トランプ政権は全方面に対して高関税をかける勢いだ。高関税は米国に利益をもたらさないと思う。日本では昨年からようやくゼロ金利政策が解除された状況で、ドル円金利差が縮まっていく可能性が出てきた状況でもある。ドル安円高方向に進むのではないかと予想している。

 とはいえ、私が主に持っていたのはS&P500連動ETF(VOO)とGAFA株だったから、正直あまり影響はないのではないかと思っていた。仮にドル円が150円から120円になったとしても、その影響を打ち消すくらいの成長はありうるのではないか。あまり狼狽して売るのは愚かではないかと。

 そんな私を突き動かしたのは思想だ。もうトランプとその仲間たちの発言が何から何まで気に食わないのだが、好き嫌いだけで株を手放したりはしない。

 最初のきっかけは、スターリンクの供与停止をほのめかしたことだ。そして、この言動の背景にイーロン・マスクがいるのも疑いようがない。一方的に侵略された国の人々の命と尊厳を弄ぶこの男に利益を与えていいのだろうか? 否。

 そんなわけで、手始めにXの利用を極力控えることにした。

 決定打となったのは、トランプ政権の裏にピーター・ティールがいると知ったことだった。『ゼロ・トゥ・ワン』を読んで、感銘を受けた私は(今にして思えば彼が言っていたことはマイケル・ポーターの焼き直しレベルのものだったような気がするが)後に上場されたパランティア株を買って持ち続けていた。そういえばピーター・ティールもイーロン・マスクと同じペイパルマフィアか……。私はパランティア株を全て売却することに決めた。今までありがとう、パランティア。

 パランティア株による利益は私の米国株投資による含み益の4分の1以上に及ぶものだったから、これは大きな出来事だ。こうなるともう米国株を全部売ってしまえという気分になってくる。元々、出口戦略がなく、いつ売るべきかと思っていたので良い機会だ。もしこれから米国株市場が下落傾向になるとすれば、少し遅れたが今売るのが一番お得だということでもある。予想に反して上昇したとしても後悔はない。

 あと、かねてから外国税額控除の申告が面倒くさすぎると思っていたし、外国税額控除でアメリカに納めている所得税の全額が返ってこない可能性があることは以前書いたとおりである。

weatheredwithyou.hatenablog.com

(全く読む気の湧かない記事だ……。)

 というわけで、米国株投資から足を洗うことにした。いやはや、清々しい気分である。

 こうなると余剰資金がたくさん発生するので、久々に投資先の検討をしている。

 10年近く投資しているのに債券の世界を全然知らないなあ……と思い、とりあえず債券に少額投資してみた。

 それからこれまで金(ゴールド)に対する投資はETFとかでやることばかりを考えていたのだが、金そのものに投資した方が税制面で圧倒的に有利な場合があることに今さらながら気付き、金銀の投資へのチャレンジも始めた。

 とはいえ、やはりメインは日本株への投資である。インデックス投資はNISAの枠を全部そちらに回しているので、個別株投資をしたい。以前は存在しなかったChatGPTと対話しながら、検討している。

 その業界はどういう構造なのか? 利益を出すには何が大切なのか? といったことを考えながら、同じ業界でも企業ごとに異なる戦略を取っているのを知るのは面白い。儲かることよりも、この面白さが個別株投資の醍醐味だよなあ……と久々に思っているところである。