たぬきのためふんば

ここにはめたたぬきが糞をしにきます。

こんな乃木坂6期生は嫌だ

ッスーン……

 

「こんな乃木坂6期生は嫌だ。どんなの?」

 

シャシャッシャッシャッシャッ

ッポイ〜ン♪

 

「こんな乃木坂6期生は嫌だ。どんなの?」

 

「ぇ〜、全員青ヶ島村出身だ」

 

 

 てなわけで今、乃木坂46に新たに加入した6期生メンバーの発表が行われている。

 「行われている」とはどういうことかといえば、毎日一人ずつYouTube上に動画をアップロードしているのである。

 現時点の私のイチオシはこの子。


www.youtube.com

 これは将来のセンター候補。早々に選抜定着するに違いない。

新人加入というエンタメ

 新入りの加入。それはいつだってワクワクするものだ。ワクワクはエンタメになる。ただ、歌やダンスとは質が異なる。ファンによる様々な妄想があって初めて完成するエンタメ。

 だから乃木坂46は情報を小出しにしていく。ファンは限られた情報から気の利いたコメントを残そうとする。その過程で観察する。考える。この過程が新メンバーとファンの関係性の礎となる。

 情報の小出しには、ワクワクを長続きさせる効果もある。今回の加入メンバーは11人だから、少なくとも11日間もの間、ファンの心を乃木坂46の新人発表というエンタメで満たすことができる。「少なくとも」と書いたのは、「明日から発表しますよ」という予告等も込みで考えればさらに長くなるからだ。

 乃木坂運営は賢い。

新人加入の難しさ

 しかし、ファンがこれをエンタメとして受容できることは当たり前ではない。ここには一つの前提が必要だからだ。一言で言えば、「新人が入ることで組織が悪くなることはない。」とファンが信じていなければならない。簡単そうに聞こえるが、そんなことは決してない。

 例えば、嵐に新メンバーが加入しようとしたら、ファンは新メンバーを受け入れられるだろうか? それはかなり難しいはずだ。不可能ではないだろうが、グループ崩壊の危機を伴うに違いない。なぜなら、嵐というグループは5人のメンバーと強く結びついているからだ。あの5人のメンバーを総称して嵐と言ってもいい。だから抜けることはあっても、加入することはその前提を覆すことになる。嵐のアイデンティティーが問われるのだ。

 また、新メンバーが実力的にかなり劣っていたらどうだろうか? グループのパフォーマンスは下がり、一部のファンが批判し、それによりメンバー同士、ファン同士、メンバーとファンとの間に亀裂をもたらすに違いない。逆に、新メンバーの実力が頭抜けすぎていても旧メンバーが見劣りしてしまい、亀裂が生じるだろう。

 そもそも、旧メンバーが新メンバーを受け入れられるか、言い換えれば新メンバーが嵐という文化に馴染めるか(あるいは新人のために嵐という文化が変容できるか)という問題もある。馴染めたとしても、旧メンバーに比べると絆が薄い(これまでの歴史を共有していない)からモチベーションが持続するとも限らない。

 新人加入をスムーズに成功させるためには、これらの難しい課題をクリアしなければならないのである。にもかかわらず、乃木坂46はそれを克服している。これは驚愕すべき事実である。

 乃木坂46がどのようにしてこの難題を乗り越えているのかは、下の記事を読んでいただければ分かると思う。

weatheredwithyou.hatenablog.com

こんな乃木坂6期生は嫌だ

 では、どんな新人だったら乃木坂46が破壊されてしまうのか。今日はそこを考えてみたい。

男だ

 乃木坂46は言わずと知れた女性アイドルグループである。そこに男が加入するとなったら大変なことだ。女性アイドルグループの中にいる男なんて絶対に応援したくない。メンバーと大乱交してしまったら最悪だ。

 

 ……本当にそうだろうか?

 

 まず、アイドルファンが男に嫌悪感を示すかと言えば、そんなことは決してない。乃木坂のライブではバナナマンに対するコールがしばしば発生するし、オズワルドに対しても声援が飛ぶ。彼らはファンに愛されている。

 さらに言えば、運営が乃木坂46に加入することを許したのである。彼は男だとしても相当に可愛いはずだ。なにわ男子の大西流星とか、あんな感じのフェミニンな美少年に違いない。

 とはいえ、どんなに可愛くたってただの男を運営が加入させるわけがない。であれば、特別な事情があるはずだ。例えば、トランスジェンダーみたいな。

 男が加入することを嫌がるファンがどれだけ発生するかは計り知れない。だが、もし受け入れられれば、乃木坂46は世界でも稀に見る先進的なグループとして認知されることになり、それが世界進出の足がかりになるかもしれない。

 もちろん、LGBTQをそのための手段として利用することはあってはならない。ここで言いたいのは、なんとなく嫌に思えたものが実はそこまで嫌なものとも限らないんじゃないか?ということだ。

 つまり、6期生の中に男がいたとしても嫌とは限らない。

人間じゃない

 では、そもそも人間ではないとしたらどうか?

 たとえば、宇宙人。この場合も先ほどと同じように議論を展開することができる。つまり乃木坂46の運営がいけると考えたのであれば、この宇宙人は確実に可愛いに違いない。

 というか、実際に人間じゃないアイドルはいる。小倉優子だ。彼女はこりん星からやってきた宇宙人だが、お茶の間でも広く受け入れられてきた。デビューから20年以上経った今なお、出身地である茂原市観光大使として活躍している。

 というわけで、人間じゃないのは全然ありなのだ。

ヤリマンだ

 性別の壁と種族の壁は乗り越えることができた。そこで鍵となったのは運営への信頼だ。乃木坂46の運営には審美眼がある。だからこそ、男でも宇宙人でも、運営がアイドルとして認めたならアイドルになりうる。

 では、これまで運営が許してこなかったことを行う人間ならどうだろうか? そう、不純異性交遊である。

 だが、この点についても必ずしも嫌すぎるとは言えない。なぜならキャリアのスタート期に元カレやパパ活等が暴露されたケースはこれまでにもあり、彼女たちは今もアイドル活動を続けているだけでなく、人気メンバーにさえなっている。アイドル業界にはタブーだけでなく、赦しも同時に存在するのだ。

 さらに言えば、不純異性交遊がなぜ嫌われるのかと言えば、隠れて行うからである。衆人環視の前で行えば、これはむしろファン獲得に繋がる。

 三上悠亜について考えてみよう。三上悠亜が超人気AV女優だったことは誰もが知るところだが、それだけではない。彼女はなんとXのフォロワー数において女性部門4位を記録したことがあるらしい。これは国内ではなく、世界での順位だ。上にいるのはエマ・ワトソンジェシカ・アルバマリア・シャラポワ錚々たるメンバーばかり。三上悠亜が誰とも性行為を行わなかったら、また、情事を秘密裡に行なっていたら、これほど多くのファンを獲得できただろうか?

 ヤリマンは全然嫌じゃない。むしろアリ寄りのアリと言える。

 ではアイドル業界のタブーではなく、国家のタブー、例えば殺人罪を犯しているとかだったらどうだろうか? これは全然OKだ。無数の人を殺した独裁者が熱烈に支持されるというのはよくあることだから。

毒手の使い手だ

 乃木坂といえば握手会。握手ができないアイドルは人気が出ないはず。

 そう思うかもしれない。だが、乃木坂はコロナ禍を乗り越えてきた。握手会はミート&グリートという新たな形態を生み出した。たぶん今もまだ握手はできない(私はミーグリ怖い勢なのでその辺はよく知らない)。

 それに人気メンバーはミート&グリートを免除される暗黙の制度がある。逆にいえば、ミート&グリートなどなくても人気を維持することは可能だということだ。

 つまり、握手ができなくたってアイドルにはなれる。毒手の使い手が乃木坂46に加入しても全く問題がない。

あまりにも数が多すぎる

 たとえば、新人が365人いたとしたらどうだろうか。お披露目だけで一年が終わってしまう。最初に紹介された彼女はどんな顔していたっけ……となること確実だ。シングルを発売したりライブをしたりする暇もないし、そのうち先輩メンバーの名前すら忘れてしまうかもしれない。そもそもそれだけのメンバーに給料を払うことによって運営が破産してしまう可能性も高い。

 これに関しては擁護のしようがない。

 そう、乃木坂46を破壊するための最良の方法は、実にシンプル。大量のメンバーを加入させて破裂させる。これだ。

 これまで見てきたように、乃木坂46という箱はあらゆる存在を受け入れる可能性を持っている。しかし、それはあくまでも乃木坂46という箱が機能している限りにおいてのことだ。肝心なのは、乃木坂46という箱自体を破壊することだったのだ。

 言い換えれば、乃木坂46を破壊しようという試みは、乃木坂46の構造を知ろうという試みなのである。

 そして我々は、今、乃木坂46を乃木坂46たらしめているものの一つがメンバーの数であることを知った。

 さあ、あなたも問うてみよう。

 

ッスーン……

 

「こんな乃木坂6期生は嫌だ。どんなの?」