たぬきのためふんば

ここにはめたたぬきが糞をしにきます。

世界史の教科書に出てくる何気に超重要なワードについての話

 現代の日本にはいろいろな法があります。憲法民法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法会社法、商法、所得税法法人税法地方税法地方自治法国家公務員法地方公務員法、あれやこれや……。

 法律の勉強をしていない人には、これらの法が全て同じ序列のものに見えるだろうと思います。しかしですね、実はこの中に、一際偉いやつがいるのです。全ての法の基礎になっているようなやつが。それはどの法でしょうか?

 我々は小学校から高校までの間で憲法について授業で教えられます。そこでは、憲法は国のあり方を定めている一番大切な決め事なんだよみたいな雰囲気のことを教えられていたかと思います。

 それはそれで正しい。憲法に違反していると判断された法律は無効になったりするわけで、憲法は全ての法の上位にあるものと理解しておいても大きな間違いにはならないでしょう。

 刑法は我々にとってとても身近な存在です。憲法に関係する話題がニュースになることはめったにありませんが、刑法に関係するニュースは連日テレビで放送されているといっても過言ではないでしょう。

 そうなってくると、この2つのどちらかが正解っぽい気がしてきます。

 しかーし、よく考えてみますと、この2つはわりかし新しめの法だということに気付くと思います。憲法というのは、国家の活動に縛りをかけるものです。刑法も、ここに書いていないようなやり方で罰したりしちゃいけないよと国家の暴走を抑制しています。これは「王様は神様だぞー」という国家ではありえない仕掛けです。

 新しめの法ということは、それより古い法の延長線上にあるものということになります。憲法や刑法を含む、あらゆる法について考える時に用いる、特殊な頭の使い方があります。この頭の使い方を、リーガルマインドと言ったりします。このリーガルマインドは、その「古い法」を基盤にして形成されてきました。

 その「古い法」とは何かというと、民法です。世界史で、ユスティニアヌス大帝がローマ法大全を編纂したやらなんやら習ったと思うのですが、あれです。あれが日本や日本が真似した欧米の民法の大本になっているんですね~。そうかー、現代の日本も古代ローマの影響下にあるのか~。

 まあ何が言いたいかと言うと、民法スペシャだってことです。

 こんなこと書いといてあれですが、正直、この説明が正しいのかにはだいぶ不安があります。特に、刑法は新しめの法だというくだり(ハンムラビ法典とかあるし)。まあでも、細かいところはともかくだいたいこんな感じくらいのノリで捉えていただければ、そんなに大きく間違ってはいないのではないかと思います。

 なんで急にこんなことを書いたのかというと、今、行政法の本を読んでいるのですが、その中でやたらと「裁判所は行政法学のこの概念を用いなくてもこのような結論に至っている」的な記述が出てくるんですね。その理由は、裁判所は行政法学の理論なんかどうでもよくて、リーガルマインドによって問題を解決しているからなんだろうと思います。つまりは民法的なものの考え方で問題解決をしているからだと。租税法の先生がそんな雰囲気のことを言っていました。これを聞いた時、当時の私は「そ、そうだったのか~!!」と雷に打たれたような衝撃を受けましたね。

 法律の勉強をするのであれば、たぶんこの価値観は持っておいた方が視界がクリアになる気がします。