勉強に関することを気合を入れて書いていたら、書くこと(書けること)があまりなくなってきました。
そろそろ終わりを意識して、東大に入った後の話をしてみたいと思います。
私は一浪して文科一類に合格した後、順当に法学部に進学しました。
サークルには数ヶ月だけ入ったもののやめてしまい、人間関係は希薄。
法学部では挫折し大学にろくに通わずに必要最低限の単位だけ貪り、必然的に(?)就活も上手く行かず一年留年。
そんなダメ東大生だった私が、愚痴を交えつつ、東大に行くメリット・デメリットを書いてみたいと思います。
メリット
自慢できる
そもそも東大に行く人は多かれ少なかれ「自慢してえ~」と思って行くわけですから、まずはこれを挙げねばならないでしょう。
とはいえ、実際に自慢する機会はありません。
他人に対して自慢するのはちょっと怖いもんです。
「じゃあ自慢できても意味ねーじゃん」
と思うかもしれません。
でもね、我々がすごいことをした時に、本当に自慢したい相手って、他人じゃなくて自分自身じゃないでしょうか。
自分に対して「僕東大生なんです」と誇れるとどうなるでしょうか。
高学歴相手に妬むことは当然なくなります。
高学歴相手に萎縮してしまうこともなくなります。
それでいて、自分が大したことないやつだというのは分かっているので、学歴なんて人間の価値とはなんの関係もないと心から言えるようになります。
そう考えると、良いことかなと思います。
ネームバリュー
それから、東大という肩書は道具として使えなくもありません。
日本人なら誰でも知っているうえに、だいたいの人がすごいと思う肩書です。
最近は「東大〇〇」みたいな本や番組がけっこう多いですが、それもたぶん東大と付けると売れるからでしょう(ちなみにこのブログはあんまりその恩恵は受けられていません)。
また、Googleの人事の偉い人が書いた『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』には、以下のように書いてあります。
日本の大学の成績は採用データとしては実質的に意味がないが、どこの大学に通っていたかを知ることは、少なくとも新卒者の採用については役に立つ。
ラズロ・ボック. ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える (Kindle の位置No.2529-2530). 東洋経済新報社. Kindle 版.
Googleでも、日本人の採用には学歴が役に立つねーと認識されているようです。
まあ、Googleの進化のスピードは速いですから、このやり方が今では見直されている可能性も否定はできません。
ですが、「Googleではたらきてー」と思うなら東大に行っておいて損はないでしょう(国外の大学を除外して考えるなら)。
優秀な人と友だちになれる
当たり前ですが、東大に行けば、同級生はひとり残らずめちゃくちゃ優秀です。
つまり、東大でできた友達は全員すごい奴です。
異常に記憶力が良い人とかいたり、面白いです。
それに周りが優秀なら、自分もこれに恥じない人間にならねばと思うものです。
あなたが東大王のメンバーやQuizKnockのメンバーになった場面を想像してみていただければ分かるのではないでしょうか。
それに、優秀な人には情報通が多いので、そのおこぼれにあずかることもできます。
自分も最初の仮想通貨バブルが来る直前か直後くらいに仮想通貨の話を友人から聞きました。たしか。
当時はリップルが3円とかで売られていて、あの時、あの時、全財産をリップルに投資していればっっっっっ!!!!
まあ、そういう感じのことが東大に行っているとたぶんあります。
学費が安い
東大は国立なので学費が安いです。
学生の皆さんは親が払ってくれる学費に関心はないでしょうが、
こちらの記事によると、東京六大学の学費(初年度)は以下のようになっているようです。
- 東大:810,000円
- 早稲田:1,380,000円
- 立教:1,490,000円
- 法制:1,500,000円
- 明治:1,560,000円
- 慶應:1,890,000円
慶應は医学部のせいで高くなっているしあんまりフェアじゃないですが、国立に比べると私立は学費がだいたい50万円くらい高いってのが相場っぽいですね。
それが4年分なので、200万円くらいはコストが違うわけですねえ。
東大(というか国立)に受かったらそれだけで200万円分の親孝行って考えるとでかいですね。
(私は浪人も留年もしているのであれですけど……。)
デメリット
周りの人が優秀すぎる
周りの人が優秀だというのは諸刃の剣です。
私は入試で合格者平均を超える点数で入学したんですが、それでも劣等感を覚える場面はたびたびありましたね、はい。
トランプをやった時に、圧倒的に強いやつがいて、「こいつとは脳みその出来が違うんだなあ」と思わされたこともありました。
授業でやったディベートでけちょんけちょんにやられて凹んだ夜もありました。
そんだけならいいんですが、試験ではそいつらと競うわけです。
そうなると、法学部のようなみんなが同じ教科のテストを受けて、優の割合が決まっている的な条件がつくと、優がとれない!
(東大では下から、不可、可、良、優、優上の順で成績が付きます。)
前期まではそれなりに優が取れてたのに、法学部に進学した途端に一個も優が取れなくなっちゃったよ~(泣)という事態に私は陥りました。
就活中にGPAがどーのって話を目にすると私はいつも「他の大学の奴らとは条件が違うんじゃ~~!!」と心の中で毒づいていました。
講師も優秀すぎる
頭がいい人ってのは早口の人が多いです。
『さんまの東大方程式』を見たことがある人は分かるのではないでしょうか。
これが講師(教授など)にも当てはまりますね。
で、そういう人がこっちのことを優秀な学生だと思いこんで話すわけです。
まあー、速い速い速い。
予習しなければついていけません(私は予習をしたことがないので予習をすればついていけるかも分かりません)。
もちろん先生によりますけど、必修に限ってそんなんだったりします。
卒業に必要な単位が多かった(過去形)
私がいた頃の東大は卒業に必要な単位が多かったです。
こちらのサイトによると、大学卒業に必要な単位は124~136の大学が多いようです。
東大はどのくらいでしょうか?
正解は……160単位です。
地獄!
前期(大学1・2年)で70単位、後期(大学3・4年)で90単位。
ただし、これは私がいた頃の話。
東大と京大のカリキュラム比較 – 大学・短大・専門学校のカリキュラムを考える
上のサイトによると、今は標準的な136単位に減っているようです。
羨ましい~!
私は就活している時に、慶應卒の姉から「あんたまだ授業に出てんの?」とか言われた時には(てめえとは条件が違うんじゃ~~~!!!)と怒りに打ち震えましたね。ええ。
(まあ、単位を取るペースが遅かったのは事実なんですけどね……。)
女子が少ない
これは大学側も問題視していることですが、東大は女子が少ないですね。
こちらのサイトによると、東大の女子率は学部でわずか19.3%。
もはや日本のコロナワクチン接種率より低いレベル!
「ワクチン打った?」と聞いて
「打った打ったー!」と言われる確率よりも、
「君も男性?」と聞いて、
「私は女性」と言われる確率の方が低いっちゅーことです。
文一の私としては、文三フランス語クラス(女子率高め)のことを「ちゃらちゃらしやがって……!!」という気持ちで見ていましたね。
嫉妬です。
人間ならば男女の比率は半々であってほしいと思うものではないでしょうか?
チャレンジがしづらくなる
これは人によると思いますが、東大という肩書を手に入れてしまうと、かえって夢を追いづらくなるかもしれません。
東大に入ると、親族からの期待が集まります。
自分でもここまで成功してきたのだから、この先も(これを利用して)成功したいと思ってしまうものです。
それで成功できる人や、東大の肩書を有効活用できる夢がある人ならそれでよいでしょう。
でも、たとえばお笑い芸人になりたいと思ったら?
なればええやんと思うかもしれませんが、東大という肩書が全く意味をなさない世界(実力次第ですが)。
そこに飛び込むのは、東大の肩書を捨てるようなもんです。
言うのは簡単ですが、実際にやるのはけっこう難しいもんです。
まとめ
というわけで、東大に行けばパラダイスが待っているなんて世の中そんなに甘くなーい!というのが東大に通った私の実感です。
まあ、それはどこの大学に行ったってそうでしょう。
どんなものにも良い面と悪い面があります。
評価する人の主観次第ですので。
でもまあ、学費も安いし、悪い大学ではないことは間違いないし、挑戦したろうという気概は持ってもいいんじゃないかなーと思います。