たぬきのためふんば

ここにはめたたぬきが糞をしにきます。

投資は手法であって目的ではない

今週のお題「100万円あったら」

 

 100万円あったら、どう使うか? 難題でしたが考えてみました。

  • 最高級の豆腐を買う
  • 最高級の米を買う
  • 最高級の洗剤を買う
  • 高級な傘を買う
  • 最高級の枕を買う
  • 高級な布団を買う
  • 最高級の電動歯ブラシを買う
  • カーテン自動開閉機を買う
  • 人にプレゼントをあげる

などなど……

貯金や投資は答えになっていない

 まずこのお題に対して、「貯金する」とか「投資する」とかの回答は答えになっていないと思います。貯金や投資というのは100万円を貯める手段であって、100万円の使い方ではないからです。

「あなたは卵でどんな料理を作りますか?」

「卵を食べたくなるまで保存しておきます!」

という会話をしているようなものです。要するに、使い道を考えるという困難から逃げているのです。まぁ、「俺の料理には卵が沢山必要なんだ!」とか「別に逃げたっていいだろ!」とか「投資すること自体が喜びなんだ!」と言われたら反論はできませんが。

 というわけで、このお題は「使用期限付きの100万円が手元に入ったらどうしますか?(※金融資産の購入は使用とは考えないものとします。)」という意味で考えました。

しかし、投資するように使うことはできる

 この100万円を投資に回すことはできません。が、この100万円に投資の考え方を適用することはできます。

  1. 目標を考える。
  2. リスク許容度を考える。
  3. リスクは分散することで減らすことができる。

目標を考える

 投資において、目標を考えることは大事です。1兆円作らなければならない人が行うべき投資と、1000万円作れればいい人が行う投資はまるで違ったものになります。

 まず、自分の幸福度を向上させるために100万円を使った方が良いのは明らかです。もし、「機会さえあればあれしたいこれしたい!」という強い欲望があれば、それに使うのがベストに思えます。しかし、そういった欲望があるならこんなダラダラと長いこと考えません。

 特段の欲望がない中で、自分の幸福度を最大限に高めるにはどうすればよいでしょうか? シンプルに考えれば、自己投資になるようなものを買うべきだという気がします。自己投資といっても、スキルアップを目指すとかではありません。思い出に残るようなものやことに使えば、それは自己投資だと言えます。

リスク許容度を考える

 自己投資として100万円を使うとして、そこにはリスクがあります。それは「100万円を使ったけれど全然幸福度が高まらなかった」というリスクです。

 このリスクを0にしたいのであれば、自分にとって幸福度が上がることが確実なことに100万円を使うべきです。それが意味するところは、すでに自分の幸福度を上げたことのあるものに使うということです。が、その場合、自分がすでに知っていることにお金を使うため、自己投資としての意味合いはかなり薄れます。

 逆に言えば、自分にとって未知な領域であればあるほどリスクは高まり、自己投資としての意味合いも高くなるということになります。

 この中間を考えてみますと、「生活必需品を可能な限りグレードアップしてみる」というのがほどよくリスクとリターンのバランスが取れている気がしたので、この線で考えていきたいと思います。

リスクは分散することで減らすことができる

 「生活必需品をグレードアップしてみる」……うんうんなんだか良い気がします。しかし、本当にそれだけでリスクは十分に減らせているでしょうか?

 たとえば、仕事でスーツを着ているから、100万円のスーツを買おうと考えたとします。結果として、幸福度が全く上がらない可能性は十分にあります。「そういえば俺ファッションに興味なかったんだ……」と気づいたり、「誰も気付いてくれない……」と嘆いたり、「あいつは500万円のスーツを着ているだと!?」と焦ったり、他のアイテムとバランスが取れてなくて馬鹿にされるとか、100万円もすると思うと緊張して仕方ないとか、高級品なのにすぐ痛むやんけとか、……色々な可能性が考えられます。

 なぜそのようなことが起きるのか? リスクを分散していないからです。スーツに集中投資してしまったからです。

 このような事態を避けるためには、分散投資をすることです。100万円という制限の中で分散投資を行うには単価が高いものへの投資は避けるべきです。

 そうやって考えた結果、たどり着いたのが一番上のリストになります。超高級品であってもそんなに高くないものや、あぶく銭がなければ絶対にそこにお金をかけないけどあればいいなというものに細かくお金を使っていくのが良いのではないか?ということですね。100の名店で1万円ずつ使っていくとかもいいかもしれません。

 さらなる分散を考えるなら、投資対象を自分から他人に広げることも視野に入れるのもありです。他人のためになることをするのは気持ちいいし、それをきっかけに築いた関係性が自分の糧になることでしょう。

 

 というわけで自分なりに妥当な結論に辿りついたつもりでいますが、そもそもあぶく銭なんだから「100万円を使ったけれど全然幸福度が高まらなかった」リスクなんか恐れるなやという考え方もありえますね。